人事異動を拒否(勤務地の変更、辞令等)する事は出来るのかな?

人事異動を拒否

人事異動を拒否 したいです。何があったかと言いますと、長く長いそして悲しいお話なのですが私の会社では今年の株主総会で代表取締役が変更となりました。今回の代表取締役社長はこの会社での任期が終了すると同時に定年となられるので、まことしやかに『今度の社長は失うものがない。この会社で最後だから思い切ったこと、大改革をするのではないか?』と社内でウワサにはなっていました。

「次」がある社長ならそんなに思い切ったことはできないですもんね。失敗したら人事考課に響くどころか、左遷されてしまうかもしれないですし。

そんなこんなのウワサがホントに現実に。先週くらいから次々と関連会社の営業の人達が人事に呼ばれて、内示を受けることに。営業の人は大変だなー。私には関係なーいくらいに高見していたのですが、ナント私も人事異動の対象となってしまいました。

そうきますかっ。マジですかっ。ウソでしょっ!?と、今でも信じられないくらいなんですけど、どーやらこれは夢ではなく現実らしいです。

【異動】配転の意義

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厚生労働省の取り組んでいる政策情報、報道発表資料、統計情報、厚生労働白書について紹介しています。

厚生労働省によると『配転』とは、

1)配転とは、従業員の配置の変更であって、職務内容または勤務地が相当の長期間にわたって変更されるものをいう。
(2)使用者は、以下の場合に労働者の個別的同意なく配転を命ずることができる。すなわち、a.労働協約や就業規則に配転がありうる旨の定めが存在し、実際にも配転が行われていたこと、b.採用時に勤務場所や職種を限定する合意がなされていなかったこと、である。
(3)ただし、配転命令につきa.業務上の必要性がない場合、b.不当な動機・目的が認められる場合、c.労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものである場合には、当該配転命令は権利濫用として無効になる。

とのことです。もし、私が人事異動を拒否することが出来るとしたら?

  1. 業務上の必要性がない場合
  2. 不当な動機・目的が認められる場合
  3. 労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものである場合

上記のどれかに該当しなければならないのですねっ!どれも当てはまるような気がしませんっ!悲しくなってきます。

【異動】勤務場所の変更

(1)就業規則等に転勤を命ずることができる旨の定めがあり、実際にこれに基づき転勤が頻繁に行われ、勤務場所を限定する合意がなされなかったという場合には、会社は労働者の個別的同意なく転勤を命ずることができる。
(2)現地採用の補助職員や、転勤には応じられない旨を明確に述べて採用された従業員については、勤務地限定の合意が認められるのが通常であるが、本社採用の大卒正社員のように当該企業で長期的にキャリアを形成していく雇用の場合には、勤務地は特定されていないと判断されることが多い。
(3)転勤命令が契約上の根拠規定に基づき、契約上許容される範囲内のものであるとしても、権利濫用として無効とされることがある。

私の会社では、就業規則は人事部に保管してあり「人事部に申し出れば、見ることは出来る」状態です。ですが、人事部はキッツい人が多いので、みんな怖くてとても言い出せるような状況ではなく、私を含め周りはみんな就業規則をほとんど知らない状態です。なので、就業規則に定められているかどうかわかりませぬ。

人事異動を拒否 できる?

まず、真っ先に思い浮かんだのが『人事異動を拒否することが出来るのか?』ということでした。だって、私は人見知りとか超激しいし、とても新しい会社で上手くやっていける自信がありません。

『労働基準法』を調べてみましたが、どうやら労働基準法においては「人事異動」、「転勤」については、明確に定めがないようなかんじでした。そこで、過去の裁判での判例を調べてみました。

東亜ペイント事件 最二小判昭61.7.14 労判477-6

【事案の概要】
(1) 頻繁に転勤を伴うY社の営業担当者に新規大卒で採用され、約8年間、大阪近辺で勤務していたXが、神戸営業所から広島営業所への転勤の内示を家庭の事情を理由に拒否し、続いて名古屋営業所への転勤の内示にも応じなかったことから、Y社は就業規則所定の懲戒事由に該当するとしてXを懲戒解雇したところ、Xは転勤命令と懲戒解雇の無効を主張して提訴したもの。
(2) 最高裁は、転勤命令は権利の濫用であり、Y社が行った転勤命令と、それに従わなかったことによる懲戒解雇は無効であるとした大阪地裁・高裁の判決を破棄し、差し戻した。

労働者側が負けてるじゃないですかっ。ウーン、家庭の事情で人事異動を拒否することは出来ないということですね。

ケンウッド事件 最三小判平12.1.28 労判774-7

配転によって通勤時間が片道約1時間長くなり、保育園に預けている子供の送迎等で支障が生じる場合でも、労働者の通常甘受すべき程度を著しく超える不利益とまではいえない。

またしても会社側の勝訴です。労働者側が負けています。「通勤時間が長くなる。」というのは不利益にあたらないのですね。

ブック・ローン事件(神戸地裁昭和54年7月12日決定)

事務補助職として勤務していた女性従業員に対する、和歌山市から片道2時間30分を要する大阪事業所への配置換えに関して、勤務場所を和歌山市とすることについて暗黙の合意があり、会社の業務の都合上これを変更しなくとも著しく不相当とはいえない等の理由により、当該配転の効力が否定された。さらに、半農半工の労働者や主婦のパートタイム労働者など生活の本拠が固定していて、それを前提に労働契約の締結がなされた場合にも、勤務地の限定が認められうる。

労働者側が勝ちました。しかも、私に一番近い事例ですっ!ですが、『勤務地限定の合意』が私にはありません。

私の場合は拒否できなさそう

ということになりそうですね。まだ、内示の段階で実際に新しい会社に行くのは当分、先になりそうですけど、それでも今からめちゃめちゃめちゃめちゃ×10くらい緊張していますっ!もうすでにストレスで胃が痛かったりなんかしています。

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電話の応対 苦手 。2017年12月に人事異動があり、現場最前線への異動となりました。私の担当する仕事の業務内容は5割が「電話の対応」です。「電話が苦手」な私にとっては相当ホンキで苦痛です。 あとの業務内容は新人らしく使いっぱ...

その後、いろいろなことが私に起こったりなんかしますけど、「住めば都」とは良く言ったものですね。異動後の会社に慣れてきたらそんなに何も思わなくなってきました。人間の適応能力というのは素晴らしいものですね。