日商簿記1級を独学 で合格することが出来ました。日商簿記検定1級は合格率だけ見るととても低く、難しい試験だとは思いますが独学でも合格することは可能だと思います。私が日商簿記検定1級に独学で合格したときの勉強期間、勉強時間並びに勉強方法等について、書いてみたいと思います。
日商簿記1級 を受けようと思った理由
当時、私は接客業をしていましたが事務職への憧れから転職を決意し、転職のために日商簿記検定を取得しようと思いました。その後、ついに日商簿記検定2級に合格し、夢にまで見た憧れの事務職への転職をと思い始めた転職活動ですが、実務経験0の私です。2社受けたら2社落ちました。
どうやら「日商簿記検定2級」を取得していても、実務経験が0ではナカナカ雇用してもらえない様子。相当にヘコみました。私にはまだまだ何の価値も無いのかと。

相当に自信喪失しました。そして、思いました。こうなったら日商簿記検定1級を取るしかないですね!簿記だけは誰にも負けないと胸をはれるように、自分に自信が持てるように。これからの長い社会人生活をナントカ生きていくために。日商簿記検定1級を取ることにしました。
日商簿記検定1級の試験内容、難易度について
日商簿記検定1級の合格率は、日本商工会議所のデータによると9~10%程度です。
試験科目 | 試験時間(休憩あり) | 合格基準 |
商業簿記 | 90分 | 70%以上 ただし、1科目ごとの 得点は40%以上 |
会計学 | ||
工業簿記 | 90分 | |
原価計算 |
ただし書きの部分がけっこうキツいですよね。商業簿記、会計学がどんなに良くても、原価計算でつまずいてしまったら、それで落ちてしまうということがあること。ここら辺が合格率が低くなっている原因でもあるのかなと思います。
日商簿記1級を独学 で勉強するための教材選び
日商簿記検定1級。今回も独学です。独学で受験しようと思った理由は、日商簿記検定3級、日商簿記検定2級のときとだいたい同じです。
- 私の家の近くに資格の学校がないこと。
- あいもかわらず、私にはお金がないこと。
- あとは、このときの私は、「授業なんて退屈だー。授業中にぜったい寝ちゃうよ。それに教科書さえあれば、授業は必要ない。」と、心の底からホンキで思っていたこと。
ということで、また都会の大きい本屋さんに行きました。購入したのは、またまたTACさんです。TACさんなら間違いないと信じてましたね。この頃は。
購入したのは、
- よくわかる簿記シリーズ合格テキスト 日商簿記1級
- よくわかる簿記シリーズ合格トレーニング 日商簿記1級
今回は量が多いです。ハンパないです。さすが1級です。
商業簿記・会計学で3冊、工業簿記・原価計算で3冊、それぞれのトレーニングで6冊の計12冊です。倍々ゲームどころじゃないですね、一気に2級の3倍です!値段もハンパないです。1冊2,000円くらいします。貧乏人の私にはそうとう厳しかったのですが、1級という資格を買ったと思うことにしようしようしようと思いました。
今はTACさんから「日商簿記1級 簿記の教室シリーズ」なんてのも発売されているんですね。しかも私が勉強した「よくわかる簿記シリーズ」より価格が安いです。ぜんぶ一式揃えると5,000円くらいは安いかんじかな。これは大きい。
しかも!「よくわかる簿記シリーズ」の最終バージョンが14.0verで2014年であるのに対して、「簿記の教室シリーズ」は2017年と新しい。
TACさんは今後、簿記に関する独学のテキストはこの「簿記の教室シリーズ」に絞っていくつもりなのかな。そんなかんじがしますね。だって「簿記の教室シリーズ」にだけ注意書きとして、
この商品は改訂版の発売予定がございます
って書いてあります。これは今後もどんどん改良していきますよーって意志の表れですよね。
「簿記の教室シリーズ」なのに商品名は「簿記の教科書」ちょっとわかりにくいですね。商品名も簿記の教室にしちゃえばよかったのになんて。
日商簿記検定1級の勉強時間、勉強期間について。
勉強時間について。
勉強時間については、当時は週休二日制でしたので、1週間のうち5日は1日90分~120分はしていました。そして休日のうち1日はゆっくり休んで勉強しない日。あとの1日は自由な日。いっぱい勉強したりしなかったり。
勉強期間について。
半年です。半年の間、上記の勉強時間を費やしました。
日商簿記検定1級の勉強方法について。
勉強の傾向は日商簿記検定2級と同じでした。商業簿記と会計学はナントカカントカわかるような気がするのですが、工業簿記と特に原価計算が相当キツかったです。途中から、原価計算はもう理解しようとすることはやめました。
習うより慣れろ!の精神で、日商簿記検定2級のときと同じように、解らない問題があったら、これはこういうものだっ!と思うことにし、深く考えないようにし、ひたすらテキストとトレーニングを繰り返しました。
日商簿記検定1級はとにかく範囲が広いですし、合格率も低いですし、どれだけ勉強しても、いつも不安になっていたので、今回、日商簿記検定2級と日商簿記検定3級ではやることすらしなかった『過去試験問題集』を追加で購入しました。
でも、過去試験問題をやると、ナンデスカコレハ?と、絶望の点数しか取れなくてメゲそうになりました。やるたび自信を無くしていくという。それでもひたすらテキストとトレーニングを繰り返し、たまに過去問題をやる。というような日々でした。
日商簿記検定1級の本試験への試験対策について。
試験対策という試験対策は原価計算だけです。他の科目、商業簿記、会計学並びに工業簿記については、今までやってきたことの積み重ねの結果が出るだけでしょう。というようなふうに思っていました。
ただ、原価計算だけは別です。過去試験問題をやってもとてもムズカしいですね!これはもう勉強したとしても本番当日はゼッタイ明後日な方向の問題が出てくるようなかんじがしたので、これはもう本番当日の私の直感、ヒラメキに掛けるしかないなと思いました。
だから、試験当日は本当に緊張しました。とにかく原価計算で「わからないの出るな出るな出るな出るな‥ひらめけますよーにっ!」と、ひたすらホンキで祈っていました。
1回目の受験でしたが結果は、合格でした。
独学で合格してみて、思うこと。
簿記の知識0、実務経験0からのスタートで、とうとう日商簿記検定1級合格までたどり着けました。ここまでくるともうサスガにけっこう簿記を好きになってきてましたね。久しぶりにホンキで勉強したのですが、新しいことを覚えるというのは楽しいです。
私はずっと勉強が大っキライでした。でも、そんな私でも簿記の勉強を続けることが出来たのは、私が簿記に興味があるから。自分に必要だと思ったから。ですよね。好きなことなら続けられる。そんな当たり前なことを今更になって思いました。
私みたいに
- とにかくお金をかけたくない。かけられない。
- とにかく試験に受かりたい。理解は二の次。
というのであれば、独学で大丈夫だと思います。今は市販で素晴らしい教材もありますしね。でも、もしTACさんが無かったら、私は独学をしないかも知れないです。簿記の知識0の私が日商簿記検定1級まで独学で合格できたのは、100%!TACさんのおかげだと思っていますから。私は基本、頭悪いですからね。悲しいほどに。
とか言って、TACさんをベタ誉めしていながら、その後、宅地建物取引士を独学で受かった時は『LEC』さんだったり、

税理士試験の簿記論と財務諸表論は『大原簿記専門学校』さんだったりするんですけどね。

それはそうと、独学だとテレビ見ながら勉強できますし、音楽聴きながら勉強できますし、たまにはテレビに魅入っちゃったり。今日は疲れた!明日やろうっ!今日は眠い!明日やろうっ!と、先延ばしにしたり、そんなこともありますけど、やっぱりやらされてる感が無いのが独学の良いところでしょうか。
ただ、独学にこだわりすぎて、人から教わることをしようとしなければ、間違った知識を正しいと思い込んで学習してしまうこともありますし、『学びて思わざればすなわち罔(くら)し、思いて学ばざればすなわち殆(あやう)し』なんて言葉もあることですし、独学にはそーゆう危険性もあるので、そこだけは気を付けなければいけないなぁと思います。独学は不安との戦いかな。